♯33 □11月26日(土) 「なぜ、綾ノ胡桃さんを監禁したんですか?」 机越しに座っている、スーツ姿の中年の女性は、抑揚のない声で言った。 斜向かいからはカタカタとノートパソコンを叩く音。殺風景な部屋で俺は取り調べを受けている。 あの日。 胡桃を監禁…
♯32 スマートフォンで時間を確認する。 蔵の中は薄暗かったが、こういうとき自ら発光するスマートフォンは有り難い。 予定時刻まで、あと10分ほど。胡桃が運命だか、偶然だか、神様のいたずらで、死んでしまう、ふざけた予定だ。 背中に回された両手をガムテ…
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