♯30 □11月23日(水) 何だよ、これ。 悲しいとか、悔しいとか、そんな当たり前の感情よりも、まず、呆れてしまった。 はりつけにされた、変わり果てた幼馴染の姿を見て、俺は木々の間で立ち尽くす。 「はは」 もはや笑えてくる。だって冗談みたいだ。まるで…
♯29 □11月19日(土) 「ハァ!!」 勢いよく上半身を起こす。 悪夢を見ていたようだ。ここはオレの部屋で、ベッドには温もりがあった。 酷い夢。 眼前に迫る列車の先頭。 ヒヤリとした死の感触。 「ハア、ア――」 しっかりしろ、俺。 あれは夢なんかじゃない―…
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